こちらで解説する内容は、奈良県内の「各鉄道路線」と「気象(気候)」の関わりに関する、大まかな「過去の一般的な傾向」です。
最新の運行情報については、各運行事業者の公式情報を別途ご確認下さい。
近畿日本鉄道
近鉄奈良線
ラッシュ時には8〜10両編成の電車が急勾配の区間をどんどん行き交うという、日本国内でも特徴的な路線環境を持ちますが、気象状況による影響は、台風・記録的大雨のケースなど一部に限られます。
関西の主な鉄道路線では「悪天候に強い」路線です。
近鉄大阪線
山間部を通る区間も目立つ路線ですが、気象状況による影響はまれです。但し、伊勢志摩・名古屋方面と特急電車などが直通運転しているため、他線で気象状況による影響が生じた場合に、大阪線内に大きな問題がなくても「波及」する場合が時に見られます。
なお、冬場には頻度は多くありませんが、「榛原駅周辺」など一部のみ「雪化粧」し、風景の変化が目立つ場合があります。
近鉄橿原線
近鉄橿原線は、全線が奈良盆地の「平地」を通るため、関西の鉄道路線でも屈指の安定した路線環境と言えます。気象状況による影響は、記録的大雨・河川増水・台風など一部に限られます。
近鉄京都線
概ね平坦な区間が目立ち、橿原線などと同様に路線環境は安定しています。気象状況による影響は、台風・記録的大雨のケースなど一部に限られます。
近鉄けいはんな線
気象状況による影響を「関西で最も受けにくい路線」の一つです。路線環境が高架・トンネル(地下)が大半のため、運行上の問題が生じにくい特徴があります。
近鉄生駒線
一部の大雨・河川増水・台風といった事例を除き、気象状況による影響はまれです。但し、中間部分は勾配や曲線が目立ち、路線環境はやや山岳路線に近いと言えます。過去に大雨によって長期間徐行運転が続いた事例もありますが、特殊なケースです。
近鉄田原本線
概ね平坦な路線で、一部の大雨・河川増水・台風といった事例を除き、気象状況による影響はまれです。
近鉄南大阪線
大阪・奈良の府県境で急勾配の区間などがありますが、奈良盆地内を通り、概ね安定した路線環境です。記録的大雨・台風などを除き、気象状況による影響を受けるケースはまれです。
但し、直通する吉野線内で影響が生じた場合、その影響が波及する場合があります。
近鉄吉野線
頻度は多くないものの、近鉄の各路線の中で見れば、気象状況による影響が見られやすい路線です。
要因としては、カーブが目立つなど路線環境は良好とは言えないほか、山沿いを通り、線路沿いには多くの樹木が見られる(倒竹・倒木のリスクがやや高い)点、奈良盆地内と比べ、雨や雪に加え「霧」の影響をやや受けやすいことが関係しています。
近鉄生駒鋼索線(生駒ケーブル)
生駒山を登る典型的なケーブルカー路線ですが、崖などの過酷な環境は見られません。気象状況による影響を受けるケースは台風など一部を除きまれな現象です。
近鉄葛城鋼索線(葛城ロープウェイ)
気象状況以前に、「定期検査」による運休などが目立つため、そちらに注意が必要です。
JR西日本
大和路線(関西本線)
あくまでも奈良盆地は天候が安定しているため、頻度が多いとは言えませんが、近鉄の主要路線と比べ、運行基準などの関係もあり、特に「大雨」による影響を受ける機会はやや多いと言えます。台風の影響を受ける際にも、あらかじめ運休となる場合などが見られます。
和歌山線
頻度がそう多いものではありませんが、特に高田駅以南の区間(御所・五条方面へかけて)は県内では大雨・短時間のゲリラ的豪雨・台風の影響などをやや受けやすい路線です。本格的な山地は通りませんが、御所〜五条市内はカーブ・勾配が目立つ路線環境となっています。
安全確認の手順などもあり、大和路線と比べても気象状況の影響を受けやすいため、天候が特に悪い場合は、運行情報などをこまめに確認しておくと無難かもしれません。
万葉まほろば線
全線で奈良盆地内を通り、路線環境自体は安定していますが、上記和歌山線と同様に、頻度は多くないものの、大和路線と比べても気象状況による影響は受けやすい路線です。天候が特に悪い場合は、運行情報などをこまめに確認しておくと無難かもしれません。
奈良線
奈良線は、厳密には京都府内のみを通る路線ですが、運行される電車は奈良駅までの直通運転です。
こちらは、一部複線化により日常的な遅れは減り、運行に支障が出る頻度はそれほど多くありませんが、大雨などによる影響は、より幹線的な路線と比べるとやや受けやすい特徴があります。
その他
◆吉野山旅客索道(吉野山ロープウェイ)
気象状況以前に、曜日などに応じ運休(バス代行)の場合がありますので、そちらに注意が必要です。